工場の生産技術での過酷な労働環境。最悪な人間関係と過労で退職した

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

今回は私が工場の生産技術として働き、そして辞めていくまでの話をしたいと思います。

私は大学を卒業してから数年間、工場の生産技術として働いていました。

「かつて生産技術として海外で活躍していた父親のように、自分も立派な生産技術者になって日本の技術を世界に広めたい」

そのように考えて工場の生産技術を志望しました。

就職した会社は日本有数の超大手企業

これで生活は安泰。あとは仕事に慣れるだけ

そう思っていました。

が…

工場の生産技術として働き始めてからが本当に地獄でした

異常な労働時間、最悪な人間関係。

結局、数年間はがんばってみましたが、最後は耐えられずに辞めてしまいました。

なにがつらかったの?どんなことがあったの?

そういったことをお伝えしようと思います。

生産技術をめざしている学生さんや、生産技術への転職を検討している人にとって最悪のケースとして知っていただければと思います。


生技の異常な労働環境

まずつらかったのは労働時間です。

大手の工場ともなると、生産ラインは24時間稼働しています。

となると、それらのラインのトラブルは24時間発生します。

そのたびに「生技!生技!」と呼びだされて対応に追われました。

現場での労働時間も長いですし、帰ってからも電話が鳴り続けました。

朝早くに電話が鳴ることがあれば、深夜に電話が鳴ることもありました。

電話に出なければ出ないで、翌日に出社したときに怒鳴られます。

24時間、まったく心が休まらない状態。

それがずっと続いていました。

1人で2直(昼勤・夜勤)をやっているような錯覚に陥りました

現場の人間が何もしてくれない

そもそも、ラインのトラブルはある程度は現場の人間が対応するのが普通です。

私には他の会社で働いてる生技仲間が何人かいましたが、他の会社では現場のトラブルは現場の人間がある程度は対応します。

あたりまえのことですが、そうしないと生技の人間がつぶれてしまうからです

ですが私の会社では、生技の人間はボロ雑巾のごとく現場の人間に使い倒されていました

ただ、何もあらがう術がなかったため、どうすることもできませんでした。

「ここはそうするので次からはこれで対応してください」

なんて言おうものなら、鬼のような剣幕で怒鳴られました。

「これはおまえの仕事だろうが!」

といろいろな仕事を押しつけられます。

違う、それは俺の仕事じゃない。

そうは思っていても、疲労で頭がまわらずひたすら謝り続ける日々が続きました

疲労でまともな思考ができなくなっていたのです。

何も考えずに謝る日々がずっと続きました。

いじめなんてものではありません、パワハラです。

部署の立場があまりにも弱すぎた

そもそも、そこまで仕事を押しつけられた場合、普通の会社だと上司が助けてくれるものです。

実際、何回か上司に理不尽な現状を報告したこともありました。

ただ、結果は無意味、何も変わりませんでした。

それどころか、現場からの理不尽な状況を告げ口したことが、なぜか現場の人間にバレてしまうという最悪の状況になりました

「こんな話を聞いたんですけど、本当なんですかね?」

とでも聞いたのでしょうか。

告げ口をしたことで現場からさらにイジメられるというどうしようもない状況に追いやられました。

なぜあんなことになってしまったのか?

理由は簡単です。

私が状況を報告した中間管理職の上司は自分のことで精一杯で、とても部下をかまってられる状況ではなかったからです

実際、上司も過労死しそうな労働環境で働いていました。

では、そのさらに上の上司はどうなっていたかというと、皆を見捨てて定時付近でさっさと帰ってしまうタイプでした。

事なかれ主義とでもいいましょうか、我関せずといった上司でした。

みごとなまでに最悪な人材がそろったものです。

過労がミスを呼びさらに信頼を下げる

そんな最悪な職場環境でしたので、仕事の効率は常に最悪でした。

過労と寝不足で頭がまわらない、頭がまわらないのでミスを誘発して周りからの信頼を下げる。

そのループを延々と繰り返していました。

あれは本当に負のループといいましょうか地獄でした。

仮に今の私が昔の職場で働いたとしても、最初の数週間は大丈夫でしょうが、その後は蓄積された疲労でパフォーマンスが低下していき同じような状況になっているでしょう。

あきらかなオーバーワーク、非効率な働きかたです

現場の人間からも「生技は仕事ができない」と散々罵られました。

そうやって罵られるたびに、どうしようもないフラストレーションがたまったものです。

「おまえら逆の立場ならできんのかよ!」

と思いつつも、立場が弱すぎて何も言えない、そんな歯がゆい状況がずっと続いていました。

プライドというものが木端微塵になった

大学を首席で卒業するまでの体験談」の記事にて書きましたが、私は大学を首席で卒業しています。

自分では意識しないでおこうと常に言い聞かせていましたが、それでも自分に対する信頼と自信には満ち溢れていました。

さらに、曲がったことが大嫌いで、筋が違うことには真っ向から立ち向かう性格でした。

ですがそんな性格も、過酷すぎる生技の生活のなかでズタボロになりました。

精神面での変化、考えかたもかなり変わってしまいました。

理不尽な労働環境に対して「これは筋が違う」と怒ったいた私は、いつしか「なんでもいいから事をおさめたい」と思うようになりました。

「なに考えてんだコイツ」と理不尽な相手に怒っていた私は、いつしか「なんでもしますから許してください」と思うようになりました。

この心理の変化はスタンフォード監獄実験、俗にいう「看守と囚人」に通じるものがあります

立場が強いもの(現場)は無意識のうちに弱いもの(生技)を虐げ、その自覚すらありません

暴言、パワハラなどを繰り返し起こしておきながら、当の本人たちには自覚すらなかったのもそのためです。

es[エス] [DVD]

日本で2002年に公開された映画「es(エス)」ではスタンフォード監獄実験をテーマとして扱われた実験が行われ、被験者たちが看守と囚人に変貌していくさまがリアルに再現されていますが、まさに私がみた現場の人たちも看守そのものでした。

生技として働いていた当時も、映画「es(エス)」の存在は知っていたはずのなのですが、過労で頭がまわっていませんでした。

「看守と囚人」状態だと自覚していれば、もうすこしまともな精神状態のうちに転職活動ができたかもしれません。



新卒に生技をおすすめしたいか?

とりあえず私の生技での労働環境は最悪でしたが、そんな生技を後輩にすすめたいかと聞かれましたら…

生技をやりたい人にはぜひともすすめたいです。

私は地獄のような生活を送りましたが、決して生技という仕事自体が悪い職種だとは思っていません。

私の父親が生技として海外で活躍していたのは事実ですし、まともな職場はきっとまともなのでしょう。

事実、私の生技仲間には(労働時間が過酷な人が多いですが)楽しくやっている人が多いです。

「生技として海外で活躍するエンジニアになりたい」

以前の私がもっていたような強い志をもつ人には、ぜひとも生技をすすめたいです

私は生技という職種がトラウマになってしまったので二度とやりたくはないですが、まともな職場の生技はきっと楽しいでしょう。

現場との人間関係ガチャがすべて

まっとうな生技ライフを送られるかどうかは、私は工場での人間関係がすべてだと思います。

はっきりいえば「人間関係ガチャ」です。

本当にそれ次第です、逆をいえばそれ以外はどうとでもなります。

アタリを引けば楽しい生技ライフ、ハズレを引けば地獄の生技ライフ

それだけです。

しかも、アタリかハズレは会社単位ではありません。

会社の事業所、強いては担当するラインレベルです。

同じ会社内であっても、アタリの現場とハズレの現場とが混在していることは往々にしてあります

これは大企業になるほど顕著で、信じられないほどの格差が生まれるものです。

私の場合はすばらしいことに、同じ会社の同期のなかでも最悪の職場を引き当てたようです。

運が良いのか悪いのか。

結局、苦労して入社した大企業にも関わらず数年で転職・退職することになりました。

ヤバイと思ったら無理をするな

これから生技を目指している学生さん、あるいは実際に生技として働いている現役さんにアドバイスがあります。

職場があきらかにヤバイと思ったら無理をするな!

これは心からのアドバイスです。

無理をしても何も良いことはありません。

また別の記事で話したいと思いますが、私は生技時代に無理をしすぎて、そのあとの数年間は鬱状態になってしまいました。

私は精神的にそんなに弱かったのか?

そうは思いません。

むしろ逆で、負けず嫌いの努力家です。

でも、だからこそ最悪の状況になってしまったのです。

「マジメな性格」と「劣悪な生技の環境」とは相性が悪すぎます

電通の高橋まつりさんが過労死した事件がありましたが、彼女もマジメな性格ゆえに仕事から逃れることができず、結果的に過労死してしまいました。

まさにあれと同じです。

あきらかにヤバイと思ったら無理をせずに逃げる準備をしろ!

心からそう叫びたいです。

大企業だからといって安心するな

私は大学の就職活動時、かなりの大企業志向がありました。

中小零細には目もくれず、ひたすら大企業ばかりを狙っていました。

ただ、その選択自体は間違っていなかったと思います。

世の中にはよっぽど優秀な人材でなければ、新卒でしか入ることのできない大企業が存在します。

私が就職したのもそういった超大手企業の1つです。

新卒カードを使って身の丈以上の大企業に就職する

それ自体は間違っていなかった思います。

ただ誤算だったのは、大企業とはいえリテラシーの高い人間ばかりではないということです

理不尽ないじめ・パワハラ。

大企業にはそのような低次元の所業をするような人間はいない。

どこかでそう決めつけていました。

まあ、考えてみればあたりまえなのですが、どこか幻想を抱いていた節があります。

ですので…

大企業だからといって安心するな!

心からそうアドバイスしたいです。



いずれにせよ悔いのない選択をしよう

最後にひとことだけ添えるとすれば…

いずれにせよ悔いのない選択をしよう」ということです。

職場環境が最悪だから転職した、でもその先の職場はさらに最悪だった。

そんなことは往々にしてあり得ます。

でも、かといってとどまっていたら精神がズタボロになり自我崩壊するかもしれません。

いずれにせよリスクはあるのです。

大事なのは「覚悟」です

どの道を選んだとしても誰もあなたの責任を取ってくれることはありません。

事実、過去の私が「誰かこの状況から助けてくれ」といくら祈ったところで誰も助けてはくれませんでした。

いずれの道を選んだとしても勇気をだして一歩をふみだし、その責任は自分で取るという覚悟を持つ

それがとても大事なことです。