こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。
ちょっとした昔話になりますが、私は大学時代、学部を首席で卒業したことがあります。
首席、すなわち学部内のトップです。
自分で言うのもなんですが、『大学を首席で卒業した』という経歴は結構めずらしいのではないでしょうか。
『大学を成績上位で卒業した』というのはたまに聞きますが、首席となるとかなりレアです。
需要があるのかどうかわかりませんが、そんな学生時代の話をします。
首席になるのって大変だったの?
首席を「意識」しだしてからはプレッシャーがあったよ
■目次■
大学に入学してから首席で卒業するまでの体験談
おそらく多くの人が気になること。
それは『どうすれば大学を首席で卒業できるのか?』だと思います。
結論から言えば、
『こうすれば必ず首席で卒業できる』なんて方法は存在しません。
そんな攻略法が存在したところで首席で卒業できるのは1人だからです。
あと…
ぶっちゃけ首席で卒業するには運要素がかなり大きいです。
運ってなに?
と思われた方もいるかもしれませんが、これは一言でいえば周りの同級生のレベルです。
一応、大学入試でそれなりのふるいにはかけられてはいますが、大学に入学してくる人のレベルなんてものはバラバラです。
できる人が多い年もあればできない人が多い年もあります。
それゆえ、私は首席で卒業したことを誇りには思っていますが、完全に私自身の力だけかといえば微妙です。
ブログやYouTubeなどでは『私はこうして首席になりました』といったような動画を見かけることもありますが、まあ…運もよかったんだと思いますよ。
とはいえ、私が首席になるまでにどのような大学生活を送っていたかが気になる人もいるかとは思いますので、次に私の大学生活について話したいと思います。
どうせ大学在学中はずっとガリ勉だったんでしょ?
ガリ勉というよりは…大学って勉強するところじゃないの?
大学入学時から首席を狙っていたのではない
私の場合ですが、大学入学時から首席を狙っていたわけではありません。
それどころか、大学入学時の成績は真ん中よりちょっと上くらいです。
ひかえめに言っているわけではありません。
ギリギリ…平均よりはわずかに上位へ食い込めるくらいでしょうか。
確実にいえることは、大学入学当初は『首席』なんて意識したことも狙ったこともありません。
「大学入試でトップもしくは上位の成績をおさめて入学した」なんて人でしたら、少しぐらいは『首席』を意識することもあるかもしれませんが、私はそんなレベルにはいませんでした。
では、なぜそんな位置から首席になることができたのか?
理由はとっても簡単です。
周りが勝手に落ちていったからです。
「日本の大学生は遊んでいる」とはよく言われていますが、私は本当にそう感じます。
とにかく、周りの同級生は遊びほうけていました。
入学式では皆マジメそうな顔をしていたのに、数週間もすれば堕落がはじまっていました。
それゆえ、私は特別に何かをしていたわけではありません。
- 大学の授業に出席して知見を広める
- レポートや試験対策を地道にこなす
- 興味が出たことは授業と関係なしに勉強する
大学の授業を聞いてレポートを出し、試験前には授業内容をふりかえり、さらに勉強したい・知りたい項目がでれば独学で勉強する。
普通にこれだけです。
私から言わせれば普通の大学生です。
ですが、私は周りが勉強しないがゆえ相対的に成績が上がっていきました。
私から言わせると…
「勉強しない大学生」ってのはほんと不思議なんですよね。
受験勉強で自分を抑圧しすぎた反動なのでしょうか?
なんで勉強せずに遊びほうけいるのでしょうか。
大学生なんだから遊ばないと損だよ!
(大学ってそんなところだっけ…?)
勉強しない同級生に嫌気がさしてボッチになる
大学に入学当初からあるときまでの私は、周りで遊びほうけている同級生を内心バカにしていました。
だって考えてみてください。
大学の授業料はタダではないのです。
国公立だと年間数十万、私立だと年間100万を超えるお金がかかります。
つまりは…
大学生というのは自由な時間をお金で買っているのです。
そんな大金をはたいて買った貴重な時間で、周りの同級生はいったい何をしているかといえば…
飲み会・買い物・カラオケ・合コン・サークル。
もちろん、遊び自体を否定しているわけではありませんが、ちょっと気が緩みすぎている気がしたのです。
そんな周りをみて、入学当初の私は心底失望しました。
しかもおもしろいのが、なかには心から遊びを楽しんでいるようには見えない人もいたのです。
これはどういうことかといえば…
周りが遊んでいるから仲間はずれにならないよう自分も遊びほうけよう。
このような思考に陥っている人が多いように感じたのです。
これは日本人の気質なのか集団心理なのか、私はとても不思議に感じていました。
そんな「周りと同じような行動をして安心する人」が多いなか、私はどうしていたかというと…
なにも気にせずマイペースに行動していました。
マイペースというのは『極端な行動』というわけではありません。
周りとは普通に会話をしていましたし、昼食に誘われたら一緒に行きました。
ただ、「自分のやりたいこと」の優先順位を下げてまで行動を共にすることはなかったのです。
結果どうなったかといえば…
なんか知りませんがボッチになっていました(笑)
ただ、私はそれでいいと思っていました。
なぜなら、しばらくするときっと環境は変わってくると思っていたからです。
別にボッチでもなんでもいいんじゃないの?
同じようなタイプが周りに集まってきて成績がさらに上がる
周りの同級生をみると、入学式のときに前後にいた人とずっとグループとしてつるんでいる人が何人かいました。
まあ、誰が誰とつるもうが自由ですので別にいいのですが、私はああいった現象をずっと不思議に思っているんです。
たまたま何かで一緒になっただけの人ってそこまで気の合う仲になれるんだろうか。
そのように思っていたからです。
それゆえ、私はボッチを(結果的に)貫いていたのですが、そんな私にも徐々に気の合う仲間が増えてきました。
いわゆる類は友を呼ぶというやつでしょうか。
そして、その時期から成績の伸びも格段に上がってきました。
グループができてよかったじゃん
今でもたまに連絡を取って飲みに行ってるよ
大学3年生の頃に首席を意識しはじめる
そんな私も気づけば大学3年生になっていました。
そのあたりからでしょうか。
「あれっ…もしかしたら首席を狙えるかも」と思いはじめました。
ここからは結構なプレッシャーがありました。
私は大学の首席には2つのタイプがいると思っています。
「天才肌タイプ」と「秀才肌タイプ」です。
天才肌タイプは地頭的な賢さを持ち、秀才肌タイプは後天的な努力によって得た賢さを持っていると思っています。
私はどちらかといえば「秀才肌タイプ」です。
物覚えは悪いです。理解力も人並みです。
ただ、1度でも経験したこと、失敗したことは忘れない記憶力とコツコツと努力する継続力には自信があります。
そんな秀才肌タイプの私ですので、学部内の首席を意識してからは結構つらい時期もありました。
これまでは自由に勉強していたのが、いつしか首席を意識するようになったからです。
このような感覚からも私が凡人であることがわかります。
「天才肌タイプ」の人間でしたら、おそらく首席争いなんて低レベルな悩みは持っていないでしょう。
気にせず自分のやりたいようにやっていたら結果的に首席だった。
そんな人が多いかと思います。
対して、私は真逆です。
成績をめちゃくちゃ気にしていました(笑)
それゆえ、大学生活の後半はさらにひたむきに勉強していました。
当時はやっぱりしんどかったの?
勉強以外にも色々とやっていたので生活は楽しかったよ
就職活動でアリとキリギリスがハッキリする
大学生というのは人生のモラトリアム的な側面がありますが、一気に現実へと戻されてしまうイベントがやってきます。
就職活動です。
それまでは遊びほうけていた同級生たちも、徐々に近づいてくる現実にざわつくようになってきました。
『まだなにも対策なんてやってないよ』とお互いをけん制しあう同級生を尻目に、私たちのグループはあいかわらずマイペースに勉強しつつ、就職活動の準備にも積極的に取り組んできました。
- エントリーシートをお互いに添削
- 面接を想定したシミュレーション
- 情報収集と分析
早くから準備を行い、あれこれとお互いに切磋琢磨しました。
この頃、一部の同級生からはあいつらはガリ勉やら何やらと陰口を叩かれていたみたいです。
もちろん単なる嫉妬ですので気に留めることはありません。
『アリとキリギリス』とまではいいませんが、何も考えずに遊びほうけていた同級生は就職活動という冬に直面して凍えていたように見えました。
勉強することに陰口を叩かれるって…意味不明だよね
首席で卒業、2位は同じグループの友人
機会があれば就職活動の話もしたいと思いますが、私は結果的に日本有数の大企業への内定をもらうことができ、就職活動は大成功となりました。
そして卒業時には、私が首席、同じグループの友人が2位といった結果になり、成績の呪縛からも解放されました(笑)
終わってみればあっけないものです。
あと、『首席』『優良大手企業への内定者』ということで、次年度の学生へのアドバイスとして学内就職セミナーの壇上に呼ばれたり、あとは卒業時に何か小物をもらいました。
細かなことを語りだしたらキリがありませんが、ざっくり語るとこんな具合です。
その後の人生で『首席』って役に立ったの?
ぶっちゃけ役になんて立たない(笑)
大学の首席になってよかったこと
大学を首席で卒業することは特に意味がないですが、首席で卒業するまでには結構いろいろなメリットがありました。
次はそれについて話したいと思います。
就職活動での大学推薦が選び放題
これは大学の学部によるところがありますが、私は理系に属していましたので就職活動時には企業からの大学推薦の求人が多数寄せられていました。
大学のレベルにもよりますが、私の大学にもそれなりの大企業や有名企業の求人がゴロゴロとやってきました。
加えて、私の学部では大学推薦の希望が重複したときは成績順で選ばれるといった慣習がありましたので、首席は無敵でした。
1位なので選び放題です。
もちろん、大学推薦は内定を確約するものではありませんので、選び放題といっても選考はありますが、それでも大幅に有利であるのには違いありません。
結局、私は一般選考でもいくつか内定をもらいましたが、最終的には大学推薦を利用して1つレベルの上の大企業へ内定をもらうことができました。
大手の一般内定よりも超大手への推薦内定を優先したのです。
まあ…
その後、ソルジャー要員として地獄をみて数年で退職することになるのですが、それに関してはまた以下の記事で語っています。
就活をやりなおせるなら…やりなおしたい?
自分で選択したことだから悔いはないよ
教授に気に入られやすくチャンスをもらいやすい
大学の首席クラスになると、何かと教授陣からも顔を覚えてもらえます。
そうなると、いろいろと都合がよいことがありました。
授業では教えてもらえないことを教えてもらえたり、何かとチャンスを与えてもらったりしました。
私がもらった最も大きなチャンスは「大学4年生を飛び級して海外の大学院に行かないか?」というお誘いです。
4年生を飛び越して院生として海外の研究室へ入る。
チャンスといえばチャンスだったと思います。
そのようなチャンスをいただいたのも、首席クラスの成績をおさめていて学内で目立っていたからでしょう。
ただ、私はせっかくのお誘いも断って就職の道を選びました。
せっかくのチャンスだったのにもったいない
学者には興味がなかったんだよ
大学を首席で卒業すると苦労すること
大学を首席で卒業するデメリット。
そんなに大それたことではないのですが、あるにはあります。
それについて少し語りたいと思います。
変なプライドがついて失敗を恐れる
私のように元々の地頭がよくない「秀才肌タイプ」が首席を取ってしまうと、調子にのってしまいます。
言いかえると変なプライドがついてしまいました。
あと、プライドだけでなく失敗できない恐怖心もおまけとしてつきました。
大学を卒業してから同級生にあうと、事あるごとに「おまえは首席だからな~」といわれました。
相手に悪気はないのですが、そういった言葉を聞くたびに「絶対に落ちぶれるわけにはいかない」といった強迫観念が心にすみつきます。
以前、東大卒の高橋まつりさんが電通をやめられず過労死した事件がありましたが、私はあの事件にとても共感しました。
高橋まつりさんが私と同じようなプライドを持っていたかはわかりませんが、私が逆の立場でもなかなか辞められなかったと思います。
事実、私は新卒時に入社した大企業を精神がズタボロになるまで辞めることができませんでした。
激務で体重が30㎏増えようが血便で倒れそうになろうが、それよりも「絶対に落ちぶれるわけにはいかない」という恐怖心が勝るのです。
この気持ちは当事者でなければわかりません。
誰かが「もう仕事を変えた方がいいよ」とアドバイスをしてくれても…
同じ土俵にあがっていない人間に言われたくないと拒むのです。
結局、私は精神がズタボロになりながらも転職することができましたが、下手をすると高橋まつりさんと同じ運命をたどっていたかもしれません。
それでも、転職後もまともな精神に戻るまで数年を要したんですけどね。
その話もどこかでしたいです。
大学を首席で卒業するデメリットを挙げるとしたらこんなところです。
もちろん、私とは違い地頭が良いタイプの首席はもっとスマートに立ち回るでしょう。あくまでも私のような凡人が首席になると苦労するということです。
「首席だから成功しないと示しがつかない」なんて絶対に思ってはいけない
大学の首席になるにはどうすればよいのか
大学で首席を取るにはどうすればよいのか。
簡単です。
勉強しましょう。
ひたすら黙々と勉強し、好成績をおさめればよいのです。
勉強の効率が悪ければ効率を上げましょう、時間が足りなければ時間を捻出しましょう。
大学生活を楽しみつつ、勉強にも全力でコミットする。
それだけです。
ただし、どうしようもなく首席を取るのが無理な場合があります。
それは、同級生にマジメで天才肌タイプの人間がいた場合です。
たまにいますよね。バケモノみたいに頭の回転や要領がよいタイプです。
ああいったタイプがいた場合、能力的に首席を取るのは不可能な場合があります。
ですので、私は何やら偉そうに語ってはおりますが、結局のところたまたま同級生に天才肌タイプがいなかっただけなのです。
言いかえれば、
運よく首席を取ることができた凡人です。
どの世界にも私みたいなタイプっていますよね。
例えばスポーツの世界なんかもそうです。
たまたま世代的にライバルがおらずチャンピオンになれた人間。
黄金世代に生まれていたらおそらく埋もれていた存在。
私もそんな人間です。
運がよかったのでしょう。
「運も実力のうち」と割り切ってます!
あまり首席にこだわらない方がいい
最後に1つだけ言いたいことがあります。
それは、
あまり首席なんてのにこだわる必要はないと思いますよ。
「どうしても首席じゃないとできないことがある」なんて場合は別ですが、そんなケースは稀ではないでしょうか。
それよりも、大学在学中にアレを勉強したいとか、アレを実現したいといったようなやりたいことへのビジョンを持つ方が大事だと思います。
でなければ…
私のように何も考えずに大企業へ就職し、結果的に精神がズタボロになって転職をよぎなくされ、さらに鬱状態から完全に回復するまで数年を要する。
そんな事態に陥りかねません。
首席というのは狙って取るものではなく、結果的にもらったもの。
その程度にとどめておいて、それよりも大事なことに注力したほうがいいと思いますよ。
まあ機会がありましたら、私のような凡人タイプが大企業に入って悲惨な目にあった話もしたいと思います。
私のプロフィールはこちら。
大学で首席になるのってどんな感じなのか?
首席ならではの苦労はあるのか?