こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。
日本語にはいろいろな方言がありますが、その中でも特に有名なのが関西弁です。
何かと聞いたことのあるフレーズが多い方言だと思います。
そんな全国的に有名な関西弁ですが…
ネットの掲示板・コメントなどで関西弁みたいな言葉を目にしたことがある人はいるでしょうか?
実はあれ…
本物の関西弁である場合もありますが、たいていは関西弁に似ているニセモノなのです。
ニセモノってなんだ?
と思われる人もいるかもしれませんが、その名の通りニセモノです。
言葉の雰囲気は関西弁と似ていますが、関西ではまったく使われない言い回しがたくさんあります。
というわけで今回は、そんなネットで使用されている関西弁っぽい言葉について解説したいと思います。
エセ関西弁「猛虎弁」とは?
しばしばネットで使われている関西弁っぽい言葉。
それは「猛虎弁」と呼ばれるエセ関西弁です。
元々は「なんJ(なんでも実況J)」と呼ばれる2ちゃんねるで使われていた言葉ではありましたが、それが広まり他のネット掲示板やコメント欄で使われるようになりました。
「猛虎弁」の一例を紹介
そんなエセ関西弁「猛虎弁」ですが、有名な言いまわしを関西弁と比較したいと思います。
~やで
猛虎弁では、とにかく語尾に「~やで」をつけます。
関西弁でも「それは嘘やで」のように「~やで」とつけることがありますが、猛虎弁では何でもかんでも「~やで」とつけるのが特徴です。
例えば「飯食ってきたやで」「今日は気分がいいやで」「イライラしてたやで」のような使いかたは関西弁ではしませんが、猛虎弁ではよく使われるフレーズです。
それは俺のせいやで。
別にええんやで。
めっちゃいいやで。
俺はそう思うやで。
~なんてなかったんや!
猛虎弁では「~最高や!~なんて最初からいらんかったんや!」といった具合に、何かを賞賛したり批判したりする言葉が使われます。
言葉自体は関西弁としても間違ってはいないのですが、賞賛と批判とを繰り返すフレーズは猛虎弁の特徴です。
(関西弁ではそのようなフレーズはあまり使いません)
何かを持ち上げつつ、何かをディスるような使いかたをします。
1人称「ワイ」を多用する
猛虎弁では何かと1人称の「ワイ」を多用します。
関西でも地域によれば口語で「ワイ」を使う人はおりますが、文章で「ワイ」を連発する人は稀です。
反面、猛虎弁ではとにかく「ワイ」がしばしば使われます。
「うせやろ」を多用する
何かに驚いた際に使われる関西弁「嘘やろ」をさらに訛らせて「うせやろ」と表現します。
関西弁でも言わないことはないですが、あまり多用する印象はありません。
逆に猛虎弁では、とにかく何でもかんでも「うせやろ」と言っている気がします。
猛虎弁はいつから存在するか?
猛虎弁はいつから存在するかですが、およそ2010年前後には存在していた言葉になります。
2000年付近までさかのぼると聞いた記憶はありませんが、2010年では既に一部で使われていたのを覚えています。
ですので、2019年現在ですとおよそ10年ほど前から存在していた言葉になります。
関西人は猛虎弁を聞き分けられるか?
関西人は猛虎弁を聞き分けられるのかといえば、ネイティブの関西人ならば確実に聞き分けられるでしょう。
関西人として感じるのは…
猛虎弁には違和感しかありません。正直、関西弁とは別物と思っています。
普段は絶対に使わない言い回しや使いかたをしていますので、関西人ならば違いは確実にわかるでしょう。
逆をいえば…
猛虎弁は関西弁ではありません。
たまに「猛虎弁を嫌う=関西弁を嫌う」となってしまう人がおられますが、関西弁と猛虎弁とは別物だと声を大にして言いたいです。
猛虎弁を勉強すれば関西弁をマスターできる?
猛虎弁は関西弁の「間違った使い方」になりますので、猛虎弁を勉強したところで関西弁はマスターできません。
たまに「関西弁はネットで勉強してるで」という人がいるのですが、それを聞くたびに「それ…猛虎弁やないんけ…」と内心思ってしまいます。
むしろ、変な言い回しやフレーズが身についてしまい、関西弁の習得から遠ざかってしまうのではと思います。
まとめ
最近では、ネットスラングが以前ほどアングラなイメージを持たれることなく使われることが多くなってきたように思えます。
そのため、猛虎弁のようなネット方言も巷でちらほら聞くようになりました。
猛虎弁はユニークな方言としてはおもしろいです。
ただし繰り返しますが…
関西弁とは別物です!
猛虎弁は関西人からみてもコテコテの関西弁に近い印象を受けますので、他の地域の人からすれば不快感を示す人もいるでしょう。
誤解です!
猛虎弁は関西弁ではありません。
もし、猛虎弁に嫌悪感を抱く人がおられましたら、それは関西弁ではなく猛虎弁であると思ってください。
以上、ネットで使われる独特な方言「猛虎弁」についてのご紹介でした。