仕事中毒者の漫画「働きマン」がおもしろい。社会人の苦労がわかる

(画像出典:「働きマン」1巻表紙より)

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

ここ数年、働き方改革ってよく言われていますよね。

残業を抑制してプライベートを充実させよう」みたいなアレです。

あれって裏を返せば、ああいった言葉がでてくるほど昔はヤバかったんです

かくいう私も、以前は仕事中毒者ばりに働いていた時期もありました。

そんな時期によく読んでいた漫画があります。

働きマン コミック 1-4巻セット (モーニングKC)

安野モヨコさん著作「働きマン」です。

この漫画、今の時代にはそぐわないノリだとは思いますが、とってもおもしろいのです

仕事中毒者がいっぱいでてくる漫画です。

良い意味でも悪い意味でも、サラリーマンにとっていろいろと考えさせられる漫画です。

今回は、そんなサラリーマン向けのマンガ「働きマン」をご紹介します。

けいこぶ
ちなみに、作者の安野モヨコさんの夫は「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な映画監督の庵野秀明さんです。これ、意外に知らない人も多いんですよ。

あらすじ

 

主人公 松方弘子(まつかたひろこ)は発行部数60万部を誇る週間雑誌「JIDAI」を手がける編集部に勤める編集者です。

松岡は毎日、鬼のように忙しい職場でバリバリ働いています。

終電で帰ることもあれば、仕事場に泊まることもしばしば

ふと自身の生活リズムに疑問を抱くこともありますが、ひとたちスイッチが入れば松岡は「働きマン」としてがむしゃらに働きます。

通常の3倍の速さで仕事をこなし、寝食を忘れて仕事に没頭して仕事を終わらせます。

まさに自他共に認める仕事人間です。

そんな松岡は、仕事をほどほどにプライベートに重きをおく新人編集者の田中邦男(たなかくにお)が気に入りません。

田中は適度に仕事を終わらせ、アフター5を楽しむのがモットーの若者です

そんな田中の姿は、松岡からすれば「若いのに楽をしている軟弱者」に見えてしまうのでしょう。

(出典:働きマン1巻30ページより)

田中は「仕事しかない人生だった」と思って死ぬのはゴメンだと思い、松岡は「仕事したな~」と思って死にたいと思っています。

週間雑誌「JIDAI」の編集部には、松岡や田中以外にもさまざまなタイプの「働きマン」がいます。

そんないろいろな「働きマン」の働く生き様を物語りを通じて知ることができるでしょう。

オススメポイント

 

この漫画の見どころは、いろいろなタイプの「働きマン」の働く姿を見ていくなかで「仕事」とは何なのかを考えさせられるところです

物語は最初のうちは1人1人を紹介していく形で進んでいきますので、話が変わるたびに違うタイプの働きマンの姿を垣間見ることができます。

何話か読み進めていくうちに、きっと自分と共感できる登場人物に出会えることでしょう。

時期によって共感ポイントが変わる

「働きマン」にはさまざまなタイプのサラリーマンが登場します。

そして、どの登場人物に共感するかは人によって異なるでしょう。

しかしおもしろいことに、同じ人でも時期によっては共感ポイントが変わることがあります。

例えば私は、仕事をバリバリしていた時期は主人公の松岡の生き方が大好きでした

まさに「仕事をしたな~と思って死にたい」と思いながら、松岡の働き方に共感すら覚えていました。

しかしその後、仕事ばかりの人生は嫌だなと思ってくると、今度はプライベートを重視する新人編集者の田中に共感を覚えるようになりました

このように、この漫画は読む時期によって共感するポイントが変わることがあります。

「働きマン」を全巻読み終えた後は、数年後に再び読み直してみるとおもしろいと思います

けいこぶ
映画「火垂るの墓」を子供のときにみたときは「いじわるなオバサン」に嫌悪感を抱いていたのに、大人になると「協調性のない清太」に嫌悪感を抱くようになる人がいるのと同じです。

仕事の描写で胃がキリキリすることも

「働きマン」を読んでいくうちに、人によっては胃が痛くなることがあるので要注意です

私は松岡の彼氏 山城新二(やましろしんじ)の話を読んだときに胃がキリキリしたのを覚えています。

山城は建築現場の現場監督をしているのですが、何かと職人との間で苦労します。

(出典:働きマン1巻135ページより)

新人のときにやらかしたミスをいつまでたっても職人たちが忘れず「またやらかされたら困るからね」と言われるシーンはグサリときました。

私は現場監督ではなかったですが、似たような仕事をしていた時期があったので胃がキリキリしたものです。

こういった仕事に関する描写は、似たような仕事をしている人には響くものがあります。

他にもいろいろな仕事をしている登場人物が出てきますので、きっとグサリとするシーンがあるかもしれません。

けいこぶ
ちなみに山城の現場監督の話は結末がとても心に響く良い話でした。「「後悔する」ようなやり方をしていたことに激しく後悔する」という名言は今でも忘れられません。私自身が似たような経験があっただけに泣きそうになりました。

未完のまま終わっている

まだ読んでいない人には余計な情報かもしれませんが、実は「働きマン」は4巻で未完のまま休載している作品なのです

一応、休載ということで再開する可能性は0ではないのですが、ここ数年の動向を見る限りは再開の可能性はかぎりなくなさそうです。

休載の理由は、作者の安野モヨコさんが出版業界に対して「どうしようもない感」を抱いてしまいストーリーが書けないためと言われています。

斜陽産業といいましょうか、出版業界はいろいろとヤバイですからね。

そんな背景を知りながら「働きマン」を読み直してみると、また違った感覚で読むこともできます。

主人公の松岡は仕事に人生を捧げていますが、その捧げている先がなくなってしまうこともある現在の世の中です。

あらためて仕事とは何なのかを考えさせられます。

けいこぶ
漫画の中で主人公が編集している週刊誌「JIDAI」が廃刊になってしまったら…と考えると複雑な気持ちになります。仕事中毒者は人生を捧げて会社に勤めていますので、会社がなくなると燃え尽きてしまうような気がします。

サラリーマンにこそ読んでほしい漫画

「働きマン」は会社で日々働いているサラリーマンにぜひとも読んでもらいたい漫画です。

もちろん、まだ働いていない学生さんにもおもしろいとは思いますが、共感といった点ではサラリーマンが一番ぐっとくると思います。

けいこぶ
「働きマン」はたまに読み返したくなるんです。もはや古い漫画になりつつある「働きマン」ですが、いまだに数ヵ月に1回くらいで読み直すことがあります。

書籍情報

タイトル働きマン
作者安野モヨコ
単行本巻数4巻(未完)
連載雑誌モーニング
出版社講談社