こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。
私はスーパー銭湯が大好きです。いろいろなスーパー銭湯に通っては温泉の泉質をチェックしています。
アルカリ性なのか塩化物泉なのか?源泉温度は何℃なのか?
いろいろとチェックします。
このとき、温泉が高張性か低張性かどうかもチェックします。
高張性・低張性って結構マニアックな言葉だと思います。ただ、温泉成分表や温泉パンフレットにはよく書かれていますよね。
高い張りをもった性質?膨張?
よく見かける言葉の割には、意味を知られていない温泉用語の1つです。
今回はそんな温泉の高張性・低張性について詳しく解説していきたいと思います。
高張性・低張性とは温泉成分の濃度です
温泉の高張性・低張性とは『温泉成分の濃度』のことです。
そもそも温泉とは何でしょう?
水ではありませんし食塩水でもありません。温泉とは各温泉成分が溶け込んだ液体のことです。そして、温泉は温泉成分の濃度の違いによって「高張性」「等張性」「低張性」の3つに分けられます。
では濃度の基準になっているものは何なのか?
それは人の体への浸透のしやすさが基準になっています。
人への浸透へのしやすさを理解するためには「浸透圧」という概念を理解する必要がありますが、温泉に関しては次の3種類だけ覚えていれば十分です。
- 温泉成分が人体に入りやすい(浸透圧が高い:高張性)
- 何も起こらない(人体の浸透圧と同じ:等張性)
- 水分が人体に入りやすい(浸透圧が低い:低張性)
すなわち、高張性の温泉は温泉成分が人体に入りやすく、低張性の温泉は水分が人体にはいりやすいのです。これに関しては俗説的にそうであって実情は異なりますが、それに関しては後述します。
温泉の浸透は皮膚の表面での話
体へ温泉が浸透するっていっても皮膚があるんだけど?
そう思われる方もいると思います。
ここで1つ例を出しましょう。
お風呂に長いこと入っていると指がシワシワにふやけたことはないですか?
皮膚があるのになぜ指はシワシワになるのか、それは皮膚の細胞に水分が入って膨張しているからです。
皮膚の細胞膜は完全に密封されているわけではありません。イオンチャンネルという水を通すパイプのようなものがあります。それらによって液体は人の皮膚に浸透します。
しかしながら、皮膚に浸透した水分はお風呂から上がると蒸発してなくなります。お風呂から上がってしばらくすると皮膚が元通りになるのはこのためです。
それゆえ、温泉が人に浸透すると言っても体の血管に浸透して体をめぐるわけではありません。あくまでも表面的な部分に浸透するかどうかです。
また、人の皮膚は温泉の種類に関わらず水分を吸収します。それゆえ、高張性の塩化物泉に長く入っていても皮膚がシワシワにふやけます。
これらを踏まえると、温泉のお湯は高張性であっても低張性であっても違いはないとも言えます。
各自にあった泉質を探そう
温泉が人体に浸透しないのであれば、温泉療法などは無意味なのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
温泉療法は医学的見解に基づいた医療法の1つです。温泉が体に浸透するかどうかと温泉療法とは別問題です。
先の温泉の浸透に関しても、完全に人体へ意味がないかどうかはわかっておりません。仮に完全に意味がないことが確定すれば、高張性・低張性を書く意味がなくなるので表記はなくなってしまうでしょう。
高張性であっても低張性であっても自身に合った泉質の温泉を探すのが一番です。温泉は1日で効果の出るものではありません。それゆえ、自身にあった温泉は長い期間をかけて探していかなければ行きません。
温泉療養である湯治(とうじ)も、温泉地に長期間滞在して行われます。これは一般のスーパー銭湯に関しても然りです。
そんな自分にあった温泉を探す指標の1つとして高張性・低張性の意味合いは知っておいて損はないと思います。
これからはスーパー銭湯に行って泉質を読まれた際は高張性・低張性にも注目されてみてはいかがでしょうか。