なぜ関西弁では相手のことを「じぶん」と言うのか?関西人がニュアンスを解説します

関西弁

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

関西人はしばしば「あなた」という言葉を「じぶん(自分)」と表現します。

今度の週末、自分どうするんや?

(今度の週末、あなたはどうするの?)

みたいな使いかたですね。

このような相手のことを「じぶん」と呼ぶ言いまわしは関西人からすれば「あたりまえすぎて意識すらしていないこと」です。

ただ、関西以外の人からすれば不自然というか意味がわからない言いまわしだと思います。

というわけで、今回はそんな関西弁「じぶん」を関西人の感覚で解説します。

けいこぶ
言いまわしに慣れるまでは不気味かもしれませんが、慣れるととても便利な言いまわしです。

なぜ関西人は「じぶん」というのか?

疑問

まずはそもそもの疑問。

なぜ関西人は「あいて」のことを「じぶん」と呼ぶのか?

意味合いは後で説明するとして理由だけ述べますと…

楽だからです

いやほんと、これにつきます。

誰かの名前をしゃべるのって面倒なんですよ。間違えるのも嫌ですし。

対して、「じぶん」ってのは誰にでも使えるのでとっても便利なんです。

あと、「じぶん」という言葉が発音しやすいのも理由です。

「じぶん」って口をほとんど動かさないで発音できますよね。あれがついつい言ってしまう理由です。

関西弁「じぶん」のニュアンス

これはニュアンス的には「あいての立場になってしゃべっている」とイメージしていただくとわかりやすいと思います。

例えば、

自分はどう考えているんや?(あなたはどう考えているの?)

といった言い回しは、

あなたは自分としてはどう考えているんや?

に近いニュアンスになります。

つまりは、「あなた」という意味で「じぶん」を使っているのではなく、単に文章が省略されているだけなのです。

そういった意味で、「じぶん」というのは標準語と同じく「あなた」という意味で正しいともいえます。

「(あなたは)自分としては」で考えよう

ですので、関西人が使う2人称の「じぶん」に対しては、「(あなたは)自分としては」と置き換えて考えるとわかりやすいです。

自分はどう考えているんや?

(あなたは)自分としてはどう考えているんや?

といった感じですね。

POINT
関西弁「自分」は「(あなたは)自分として」として考えよう。

関西弁「じぶん」の注意点

注意

2人称の関西弁「じぶん」を使うさいの注意点をいくつかお伝えしたいと思います。

これを知らないと場合によってはトラブルの原因になります

「自分」のイントネーションに注意

関西弁で相手のことを「じぶん」と呼ぶさいは、比較的フラットに発音します。

標準語では「じぶん」といった具合に「ぶん」を強く発音しますが、関西弁で相手をさす「じぶん」はフラットに発音されます。

個人差があるので全員がとはいきませんが、関西人であっても「じぶん」と聞くと1人称の「私」が頭に浮かびます。

また、京都などでは「じぶん」のように最初からやや強く発音されることがあります。

(「じぶん」に限らず京都方面の関西弁では言葉の最初が強く発音されることがあります。)

関西全域で使われているわけではない

また、2人称の関西弁「じぶん」に関しては関西全域で使われているわけではありません

ですので「じぶん」を関西弁というのは少し不自然ともいえます。

「じぶん」が使われているのは大阪・兵庫・京都などです。

他の地域でも使われていることはありますが、使われていない地域もあります。

目上の人には使わない

2人称の関西弁「じぶん」はかなりカジュアルな言いまわしです

冒頭でご説明した標準語「(あなたは)自分としては」のニュアンスだと誰にでも使えるような印象を持たれるかもしれませんが、目上の人には絶対に使いません。

どちらかといえば、標準語の「おまえ」に近いと思っておいてください

目上の人でなくとも、あまり親しくない人には使わない方がよいでしょう。

けいこぶ
親しくない人にいきなり「おまえ」っていわれたら「なんだコイツ?」ってなりますよね。

「じぶん」を使うとしたら、相手は親しい友達や後輩・部下などに対してです。

関西弁「じぶん」のPOINT
・イントネーションに注意!

・主に大阪、兵庫、京都で使われている

・目上の人には絶対に使わない

まとめ

関西弁に慣れていない人からすれば不自然に聞こえる「じぶん」ですが、慣れるととても便利な言葉です。

相手の名前を呼ぶのがちょっと面倒なときに、ついつい「じぶん」と言ってしまいます。

興味のあるかたは、ぜひとも使ってみて下さい。

ただし繰り返しますが、目上の人や親しくない人に2人称の「じぶん」を使うのはダメです。

 

また時折、関西弁講座を記事にしたいと思います。

YouTube動画でも関西弁を教えていますので、興味のある方は「関西弁講座-大阪おっちゃんねる-」をご覧ください。

関西弁などの言葉は、文字だけでなく解説動画を併用するとスッキリと理解できると思います。