こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。
みなさん、ジタハラって知っていますか?
ここ最近…ジタハラって急激に増えましたよね。
「残業時間をもっと減らしてくれ」「仕事の効率を今までの倍にしてくれ」
いやね…
言ってることはわかりますよ。
わかるんですけど…
それを達成して従業員に何か得があんの?って私は思ってしまうんですよ。
これって私がおかしいんですかね。
だってそうでしょ?
効率よく仕事をして労働時間を半分にしたところで給料は2倍にはなりません。
それがちょっとおかしいなと思うんです。
今回は、そんなジタハラについての解説とジタハラ上司のタイプ別の事例をご紹介します。
■目次■
結局は単なる「無茶ぶり」でしかない
まずジタハラについてですが…もう時短とか適当な言葉でにごすのはやめましょうよ。
つまりはパワハラでしょ?
だってそうじゃないですか。
「残業するな」「休日に出勤するな」「定時に帰れ」
と労働時間の短縮を強要する反面…
「成果はしっかりとあげろ」「目標は達成しろ」「実績をあげろ」
と矛盾することを言ってきます。それがパワハラでなくてなんでしょう。
それってもはや…イジメに近い何かだと思うんですよね。
ジタハラとスポーツの体罰は構造が似ている
ジタハラが起こる際に必ずと言っていいほどついてくる言葉があります。
それは「仕事の効率」という言葉です。仕事の効率って便利な言葉ですよね。
労働時間だけ削減しておいて、それで仕事がまわらなくなったら「仕事の効率」が悪いですべてを片付けることができます。
でも、冷静に考えてください。
これってアレですよ。
スポーツで体罰をしていたコーチが「愛のムチ」「熱意のあらわれ」とほざいているのと同じです。
よくよく考えたら、まったく意味をなさない言葉です。
どうです?同じでしょ?
パワハラもそうですが、当事者にパワハラの自覚がないのが一番の問題なのです。
ジタハラでも確実に同じ現象が起こっています。
ジタハラは組織としてのパワハラになり得る
ただし、体罰とジタハラとで決定的に異なる点が1つあります。
それは個人と組織の違いです。
体罰の場合は、ほとんどが体罰を好む(?)コーチや教師個人に原因があります。いわば個人によるものです。
対して、ジタハラは組織として発生する危険性があります。
会社という組織が従業員個人にジタハラをするのです。
これはイジメで例えると…
1対1での暴力と集団リンチくらいの違いがあります。
組織による個人へのジタハラなんて、もはや集団リンチですよ。
加えて、組織としてやっている分、上司にもジタハラの加害者意識が薄れてしまうのです。
「会社の命令で仕方なくやっている」ってのは「やらないと仲間はずれにされるからイジメる」と言っているのと同じです。
集団心理ってやつですね。
まあ、ジタハラ上司もやらなければ更に上の上司から「イジメられる」ので仕方がないのでしょうが。
組織って恐いですね。日本の会社という組織はイジメの温床になっていると思うのは私だけでしょうか。
会社の存続を言い訳にできない時代
ジタハラを強要するときに会社の業績を言い訳にする上司は多いものです。
「会社の業績が悪いのだから業務効率を上げてくれないと生き残れない」
これは半分正しくて半分間違っています。
まず正しい部分に関してですが、会社の生き残り競争が激しくなっているのはどこの業界でも事実です。
それゆえ、業務の効率化をしないと生き残れない、それが事実です。間違っているとは思いません。
間違っているのは、その業務の効率化を従業員側に一方的に強要することです。
一緒に考えるのならば問題ありません。業務の効率をあげていく正しい姿だと思います。
しかし、それを従業員に押しつけてしまうとヤル気がなくなってしまうのはあたりまえです。
会社の業績のしりぬぐいを従業員に押しつけても意味がないと思います。
労働者にうまみがないと意味がない
そもそも、労働者の立場から考えると…
「会社の業績が悪いと生き残れないのなら業績が良い会社へ転職します」
ってのが自然な流れだと思うんですよ。ここを勘違いしている上司は結構いるんじゃないかと思います。
特に年配の世代に多いと感じています。
これからはこの流れが増えていくのではないでしょうか。
給料やブランドで従業員を釣っている大企業ならまだしも、中小企業なら確実に従業員が離れていくでしょう。
会社が従業員を守ってくれない昨今、従業員も会社を守ることはありません。
会社は従業員をリストラで裏切るのに、従業員には無理なジタハラを強要するって…
オマエはサイコパスか何かかよと思います。これって私がおかしいんでしょうかね。
タイプ別にみるジタハラ上司と事例
ジタハラにも様々なタイプがあります。
まずは代表的なジタハラのタイプを知っておきましょう。
ジタハラ上司は「ジタハラに対する姿勢」「部下への干渉度合い」によって4つのタイプに分けることができます。
- 自己過大型
- 確信犯型
- 意識洗脳型
- 査定激辛型
ジタハラに対する姿勢とは目標に対して上司がどう思っているかです。
目標を達成できると思っている上司(ポジティブ)、内心はできないと思っている上司(ネガティブ)で分けられます。
部下への干渉度合いとは名のとおり部下へどれだけ干渉してくるかということです。
罵倒や叱責をして尻をたたく上司(積極的)、放置や間接的に締めあげてくる上司(消極的)に分けられます。
それでは1つ1つ見ていきましょう。
ジタハラ上司「自己過大評価型」
比較的、仕事ができる(できた)上司が陥りやすいケースです。
過去に何らかの実績を残し、それを棚に上げて部下にジタハラを強要してくるタイプです。
「俺のときはこれだけの時間でやりとげた」「俺はできないのにオマエができないのは効率が悪いから」
などと過去の実績を棚にあげて部下を締めつけます。
過去の実績は、たいていは次のいずれかにより達成されたものです。
- 上司が本当に半端なく優秀
- 実はどこかで手を抜いていた
- 上司がバカみたいにサービス残業や持ち帰り業務をしていた
しかしいずれの場合も、それを部下に無理やり押しつけた時点でジタハラです。
役職的な上限関係上、反論ができない立場を利用していることも考慮するとパワハラにも該当していると考えられます。
ジタハラ上司「確信犯型」
部下に無理難題を押しつけているのを理解しつつも、それを黙認するタイプです。
先の自己過大評価型と同じく、かなりのジタハラ上司が確信犯型に陥っています。
部下に積極的に絡むことはありません。部下がサービス残業や持ち帰り業務により「自主的に」業務を終わらせたことにしたいからです。
まあ一言でいえば…責任転嫁です。
ひとたび過労死や労務問題が発生すれば…
「部下が勝手にやったこと」「部下に強要したわけではない」
と責任転嫁します。保身だけを考えている点だけで見れば自己過大評価型よりも卑劣で姑息な上司です。
でも…このタイプは意外に多いものです。
パワハラ的な言質は取られないよう細心の注意は払いつつも、要求は無理難題だと理解しているのが特徴です。
部下を脅すには主に査定を利用します。後で出てくる「査定激辛型」と似ています。
ジタハラ上司「意識洗脳型」
部下を徹底的に叱責して冷静な判断力を失わせるタイプです。
叱責の方法により、更に「理詰め型」「罵倒型」「同情型」の3つに分けられます。
理詰め型は淡々と理詰めにより部下を追い込みます。部下よりも経験が豊富な以上、理詰め勝負になると上司は圧倒的に有利です。
部下の論理的な矛盾を執拗についていき部下の自尊心や自信をなくさせます。
罵倒型はその名の通り、ゴリ押しでとにかく罵倒します。
罵倒し続けて部下の自尊心や自信を消滅させようとします。
理詰め型、罵倒型のいずれの場合も、部下が疲弊してくるとアメとムチのように部下が自然と仕事へ向かうように仕向けます。
ここで残業代が払われる労働関係なら美談なのですが、サービス残業や持ち帰り業務に持ち込むのがジタハラ上司です。
「おまえは能力がないから人一倍がんばらないと意味がない」
そういった思考を部下に押しつけて洗脳します。
「同情型」は少し部下への攻め方が異なります。同情型はその名の通り部下への同情を誘います。
「これは本当に無理だと思うよ…」「私も本当に板挟みでつらいんだ」
と部下に対して歩み寄ってくる姿勢を見せつつ、目標には一切変更は加えないタイプです。
従えばおだやかですが、反発すると「理詰め型」「罵倒型」へと変化します。
カツアゲする不良が最初はやさしく語りかけてくるようなものです。
また、それらをちらつかせておだやかに静かに脅してくるタイプの上司もこれに含まれます。
ジタハラ上司「査定激辛型」
無理難題を提示しつつも、部下に無理やり強要することのないタイプの上司です。
部下に無理な干渉はしないですが、本人は目標は「達成できるもの」と思っているのが特徴です。
「目標は達成できてあたりまえ」と意識を高く持っているのが「確信犯型」との違いです。
一見無害に見えますが、部下の査定は労働時間に対して明らかに無茶な達成目標を基準に行います。
もちろん、そんな無茶基準の目標で評価されると部下はたまったものではありません。
結局、保身に走る部下は「まともな評価」をもらうためにジタハラに従わざるを得ない状況に追い込まれます。
このタイプのジタハラ上司はパワハラ的な印象を与えず、なおかつ干渉もしてこないので部下はフラストレーションのやり場がわからず鬱憤がたまります。
「査定激辛型」の上司は同じ会社内の上下関係では起こりにくいタイプです。
なぜなら、たいていは部下の実績は上司の実績にもなるからです。
この関係が発生しやすいのは駐在先の派遣社員や社外関係の絡む労働環境下です。
たいていは査定激辛型の上司によって自身の組織の上司に情報が伝わり、直属の上司から別途締めつけあげられることになります。
労働者はジタハラに反発しよう
世の中の企業間競争はこれからもますます激化していくでしょう。
そしてそれにともなう、ジタハラのような労働者が虐げられる事例は増えていくと考えられます。
では…労働者は企業に搾取されるだけの使い捨て雑巾でしょうか?
私は違うと思います。
企業は労働者がいなければなりたちません。
いくら移民を入れようが拠点を海外にうつそうが、完全に日本人に依存しないで企業活動をするのは不可能です。
そんなことない?
本当にそうでしょうか。
海外の労働者は日本のように従順ではありません。
自身の権利はしっかりと主張しますし、ストライキや訴訟も起こすでしょう。日本人のようにおとなしくはありません。
でも、それが労働者の本来の姿です。
これはジタハラに対しても同じです。
ジタハラなんてものを強要されてしまったらバンバンと反発できる世の中にしていかなければいけません。
「ジタハラに反発しよう」などと言ったところでそう簡単にいかないのは百も承知です。
それなので、少しずつ変えていきましょう。
まずは、ジタハラという言葉を広めること。
それが反発の第一歩だと思います。
パワハラだってそうだったじゃないですか。
昔はパワハラなんて言葉がなかったので、パワハラが際限なく横行していたのです。
でも今はどうですか?
以前よりもパワハラに対する世間の目が変わってきましたよね。
ジタハラに対しても同じです。
無理な要求をする企業が言質を取られて締め上げられるような世の中になれば、少しは無茶なジタハラが少なくなると思うのです。
ジタハラという言葉は2018年には流行語大賞にもノミネートされましたが、このまま風化してほしくはないですね。
パワハラ並みに世間に注目される言葉になってほしいと思っています。
簡単にいえば、「業務量を減らさないまま労働時間を減らせ」と強要するこということです。「仕事の効率化」と混同されがちですが、労働時間削減のための具体的な提案がなされないまま従業員に労働時間の削減だけを無理に強要するのはジタハラにあたります。
ジタハラの目的は理由は言うまでもなく、残業代の削減、労務費の削減です。