非正規労働者が放送禁止用語になる?厚生労働省の意味不明な言葉狩り

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

2019年9月3日。

厚生労働省がよくわからない通知をだしましたね。

何かといいますと、厚生労働省が「非正規労働者という言葉は今後は使いません」との考えかたを示したのです。

「非正規労働者」とは呼びません―。厚生労働省雇用環境・均等局が、国会答弁などの際に非正規雇用で働く人の呼称として「非正規労働者」や、単に「非正規」という表現を使わないよう求める通知を省内に出していたことが3日、分かった。通知は8月。

(出典:YAHOO!ニュース「厚労省、「非正規」使いません 言葉遣いを通知」より)

なんといいましょうか…

意味がわかりません

私がバカなだけなのかもしれませんが、まったくもって意味がわかりません。

あまりにも意味がわからなかったので、ちょっとこのことについて掘り下げて考えてみようかと思います。

けいこぶ
厚生労働省が指針を示したということは、非正規がテレビなどで使われないということですね。ちょっと不自然な感じがしてなりません。

なぜ「非正規労働者」といってはいけないのか?

ばつ

今回の厚生労働省の通知によりますと、「非正規労働者」といってはいけない理由として次のことが述べられています。

『非正規』は雇用や雇用形態を表現し、働く人に対する修飾語としてふさわしくないため

(出典:YAHOO!ニュース「厚労省、「非正規」使いません 言葉遣いを通知」より)

たしかに非正規というのは雇用形態に対する修飾語であり、働く人に対する言葉としては正しくありません。

ですが…

で?なに?

といったところです。

それならば正規社員(あるいは正社員)もダメですよね。

正規というのは雇用形態に対する修飾語であり、働く人に対して使ってはダメとなります

けいこぶ
正規社員はOKで、非正規社員はダメなのならば…いったい意図はなんでしょう?都合が悪いのでしょうか?

この「言葉遊び」に意味はあるのか?

正直、「非正規労働者」であろうがなんであろうが何でもよいのです。

大衆がその言葉に違和感を覚えていないのであれば、それは別に俗称としてまかり通ります。

今回の問題は、このような「言葉遊び」「言葉狩り」に近い行動に意味はあるのかということです。

そんなことよりも派遣の3年ルールを逆手にとり、3年ギリギリで雇い止めをする現状のほうが問題ではありませんか?

2年11ヵ月で雇い止める。

そんな人道非道な所業がまかり通っている現状のほうが異常です。

働く人に対する修飾語としてふさわしくない?

そんなのどうでもいいでしょう。

それよりも、使い倒されたあげくゴミクズ以下の扱いで雇い止めされる派遣社員の現状のほうが「働く人に対してふさわしくない」と思うのですが、ここのところはどう考えているのでしょう。

けいこぶ
今回の「非正規」排除は、非正規労働者にとって火に油を注ぐような気がしてなりません。

格差社会をごまかすための布石だろうか?

「非正規労働者」を使わない理由には、日本の格差社会をごまかす目的でもあるのでしょうか?

悪い言いかたをすれば、今や非正規労働者って日本の貧困を表徴するような存在ですしね。

ホント…今は本当に格差社会だなと痛感します。

私の周りだけをみても、給料がずっと20万の底辺から抜け出せない人間のいるかたわら、30万40万とバンバンと昇給している人間がいたり…

年間休日が100日を切っている人間がいる反面、年間休日が130日をこえる人間がいたり…

まさに格差社会、一億総格差社会といったところです。

「非正規労働者」をすすめてきたのは国じゃないか?

そもそも「非正規労働者」をすすめてきたのは国じゃないですか。

なぜ今になって非正規労働者をごまかそうとするのですか?

今の若い人は知らないかもしれないですが、派遣社員が世に登場した頃は世の中は全力で派遣社員を支持していました

雑誌やメディアでは「派遣は次世代の新しい働きかた」「正社員で働くなんてもう古い」といった論調が繰り広げられ、派遣社員は次世代の自由な生き方と散々持ち上げていました。

まあ…

当時から「これ絶対に嘘だよね」とは思っていましたが、それでも今では考えられないほど派遣という働きかたが持ち上げられていました。

もちろん、派遣という働きかたを完全に否定するつもりはありません。

人によっては働きかたの選択肢が広がっているのは事実ですし、派遣によって融通が利きやすくなった側面もあります。

でも…

ほとんどの人は圧倒的に貧しいですよね。それが問題なのです。

問題は「お金がもらえないこと」です。

「働く人に対してふさわしくない言葉」ではなく「働く人に対してふさわしくない待遇」を考えてほしいものです。



「非正規労働者」の代わりになんて呼べばよいのか?

疑問

今回の通知を経て「非正規労働者」ではなくなんて呼べばよいのか。

通知を読む限りですと、

有期雇用

派遣

パートタイム

と呼ぶようにと書いてあります。

まあ…

浸透しないでしょうね。

少し前に行われた「ゆう活」「プレミアムフライデー」と同じ道を歩むのは目に見えています。

言葉ではなく実態を変えてほしい

政府には言葉ではなく実情を変えてほしい。

この一言に尽きます。

正直、実情さえ変わってくれれば言葉なんて何でもいいんですよ。

逆をいえば、実情が変わらなければ何をしても無駄です。

これから先の20年。

ちょうど氷河期世代が初老を迎えるころには日本はなかなか厳しい時代を迎えるでしょう。

政府には今からしっかりとした対策を立てて、国民が悲惨なことにならないようにしてもらいたいものです。

 

とりあえず…

私は「非正規労働者」はそのままで良いと思います。