FXの2chコピペ「のんびりキニシナイ」ハイレバスワポ狙いの恐さを解説

FXコピペから教訓を学ぶ

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

みなさん、元気にFXやっていますか?

私は…まあのんびりやっています。一応、チビチビと利益も出ています。

「のんびり」やっています。

私だけかもしれませんが、FXで「のんびり」という単語を聞くたびに…

ネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれたあるカキコが常に頭に浮かびます。

おそらく昔からFXをやっている人は誰もが知っているであろうカキコ「のんびりキニシナイ」です。

あのカキコのおかげで、私はFXでのんびりできなくなりました。、私にとってはある種の教訓として心に刻まれています。

今回は、そんなスワップポイント収入での生活にあこがれて高金利通貨に多額の資産をつぎこんだとある人のカキコを引用します。

それを踏まえ、流行に乗っかるリスク、ハイレバレッジをかけるリスクについて考えてみたいと思います。

もう、あの時代を知っている人も少なくなってきたかもしれませんね。あの時代は本当にスワップポイントが美味しかったです。それだけで生活していけると誰もが思っていました。

実際、「スワップポイントだけで生活していこう」的な書籍も多数出版されましたし、「まだいける」と誰もが思っていたでしょう。

まさにこの世の錬金術のごときスワップポイントバブルでした。今では信じられないですよね。

スワップポイントとは?
各国の金利差から生まれる差分利益のことです。簡単にいえば「もっているだけで勝手に増えていく利息」です。昔のFXは外貨預金の延長線上のような「スワップポイント狙い」がかなり主流な戦略として広まっていました。略して「スワポ」とも言われます。
ハイレバレッジとは?
実際に持っているお金の何倍もの取引ができるレバレッジのうち、特に倍率が高い取引のことです。昔はレバレッジ400倍なんてのも存在し、1万円で400万円の取引ができる狂気の時代もありました。今では規制により25倍が最高(2018年現在)となっています。

「のんびりキニシナイ」のコピペ

 

今回の引用元の出来事ですが、2007/06/19から起こった悲劇です。

以下、2ちゃんねるでのカキコになります。

834 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日:2007/06/19(火) 13:45:29.22 ID:yCzolh8f
みんな若いな(^^ゞ
今年で50歳 種:3300(元は3000) 予備費:7000ぐらい キャピ:+1000ぐらい リタイヤ済み

836 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日:2007/06/19(火) 14:08:11.31 ID:yCzolh8f
妻あり、子なし 賃貸マンション
(65歳過ぎたら、都会にマンションか地方に一軒屋の予定、生きてたらだけど(^^ゞ)

888 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日:2007/06/20(水) 16:10:26.90 ID:Ea1FNnuE
>>887
> 5年セーフだったら逃げ切りでしょ?

FXの事でしたら、スワッポで5年生活できたら良いなと思っています
これからクロス円にかんしてはスワッポは減っていくと言うことが定説ですので
その通りに進むと5年持つか持たないかでしょうね?
未来はどうなるか解りませんので、その場で考えながらのんびり暮らしていきます。

345 名前:キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆U7GiV1JBHU [sage] 投稿日:2007/11/14(水)09:14:07.99 ID:/pFbIz6L
スワッポ 22,600 Day タネ 4,000(リスク回避で500追加) キャピ – レバ4.06
スワッポウマー(・∀・)
ナイアガラでポジ追加しました
現在のポジですが、細かく書くのも何なので全体平均です
・USD/JPY:116弱(平均)×150 ・ZAR/JPY:15.8弱(平均)×100

のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○

(出典:「2ちゃんねる」より)

スワポ組を刈り取った大暴落

 

2007より以前はドル円、南アフリカランド円は高金利通貨として非常に人気の高い通貨でした。

持っているだけでザクザクとお金が増える。そんなバブリーが時代が続いていました。

それが、このカキコにある2007年あたりから…

南アフリカランド円(通称:ランド円)は大暴落しました。

こちらが当時のランド円のチャートになります。

2007年6月には16円近くあったランド円が、2008年10月には8円付近まで暴落しました。

わずか1年足らずで半値です。

この間、スワポ生活を夢見ていた数多くの人間の夢を刈り取っていきました。さすがに半値は耐えられません。

少しでもレバレッジをかけていたら余裕でロスカットです。悪魔のような暴落でした。

また、ドル円に関しても同様です。

2007年6月には124円近くあったドル円が、2011年10月には76円付近まで暴落しました。

特にドル円に関しては真綿で首を絞めるかのごとくジワリジワリと下がっていきましたので、スワポ組でなく数多くのナンピン組も巻き込んで数多くの悲劇を生みました。

ナンピンとは?
買った通貨が下がったときに、さらに買い増しをして平均取得買値を下げていくことです。もちろん、買えば買うほど取引金額は上がっていきます。

スワポで夢を見るのが楽しかった

まあ実のところ…

私もスワポ生活を夢見て痛い目をみた1人なんですけどね。

ホント…いい夢を見させてもらいましたよ。

あの頃はドル円を1枚(10000通貨)買うと160円/日くらいもらえましたよね。

例えば120円のドル円を10枚(1200万円相当)持っているだけで、1日に1600円ものお金が勝手に増えていったのです。

あの頃はスワポの計算をするだけでドキドキがとまらない日々でした。

1ヵ月耐えしのげば1600×30=48000円の利益です。もちろん、何もしなくてもですよ。

カキコにあるように「5年耐えしのげれば」ものすごい利益になっていたでしょう。

それが大暴落を経て…

価値が下落しただけでなく、スワポはドル円では20円/日になりました。(2018年12月時点)

スワポはこれでもまだあがってきた方で、少し前はもっと絶望的な数値だったと記憶しています。

スワポだけで生活という単語はもはや死語になってしまいました。今では一部の人を除いて夢も希望もありません。

結局、「何もせずにお金を得られる」なんて不労所得はFXでは不可能だったんです。長い目で見れば単なるリスクでしかありませんでした。

まあ…

私は途中で全部損切りしましたけどね。ハイレバレッジではとても耐えきれませんでした。

詳細は言えませんが結構な額をいかれましたよ。

流行にのっかるリスク・ハイレバのリスクを理解しよう

 

今回のコピペでの教訓は、スワポ狙いでのハイレバレッジ取引がいかにリスキーかということだけではありません。

流行に乗っかることがいかに危険かを教えてくれます。

今回のカキコですと、推定されるポジションは…

  • USD/JPY:116弱(平均)×150:1億7400万円
  • ZAR/JPY:15.8弱(平均)×100※):1億5800万円※10万通貨

仮にロスカット率を50%に設定していれば…

  • ドル円:116円⇒76円の暴落を耐えるには約6300万円が必要
  • ランド円:16円⇒8円の暴落に耐えるには約8200万円が必要

となります。

ロスカット率をもっと低くすることも可能ですので数値は変動しますが…

暴落に耐えるためには半端ないお金が必要なことがわかります。

このカキコの人がこの後どうなったかは詳細にはわかっておりません。数年後、再び2ちゃんねるに現れたこともあったそうですが、取引の結果に関しては詳細不明です。

ただ、1つだけ言えるのは暴落による相当な精神的ストレスがあったのは間違いないでしょう。

暴落していくなかでハイレバのポジションを持っているときのストレスは半端ないものです。私は経験者なのでわかります。

長期でのハイレバは危険でしかない

FXで長期保有を考える場合は、暴落リスクを常に念頭に置いておかなければいけません。

それなのに当時の私は…

「FXのスワップポイントは最高!」「まだまだ狙える奇跡の錬金術」のような煽り文句に踊らされ、まともに思考しないまま買いポジションをハイレバで取っていました。

まさに流行に乗っていました。

そして、少々の暴落が起きてもキニシナイキニシナイと思考停止していました。

気にしなくなったのはロスカットの気配が濃厚になってからです。そうなると「ゆでガエル現象」です。逃げ場はなくなりました。

このカキコからの教訓は大きいです。今後、FXを始められる方には長期保有のリスクとしてぜひとも頭に入れておいて欲しいカキコです。

ゆでガエル現象とは?
人は「急激な破滅」には敏感に反応するが「緩やかな破滅」には気づきにくく、気づけばどうしようもない状況になっていることへの例え。
このコピペから学ぶ教訓
・スワップポイントのハイレバ狙いは危険

・流行ではなくしっかりと自身で考えて取引する

・緩やかな破滅は気づきにくい