フォロワー欲しさに大量殺人ゲームをツイートして逮捕された事件

こんにちは けいこぶ(@kei_cob) です。

今やSNSの代表的なツールとなったTwitter。

そのTwitter絡みで…またしてもいつもの事件が起こってしまいました。

Twitterでの殺人予告による逮捕です

これ、もはや定期的に出てくる事件の代表格になりましたよね。

そして犯人の動機もいつも同じで…

  • 目立ちたかった、注目されたかった
  • 誰かに認めてもらいたかった
  • Twitterのフォロワーを増やしたかった

たいていはこの類です。

いったい、どうなってるんでしょうかね。

事件の経緯をまとめ、犯人の心理を考察してみたいと思います。

「通り魔で大量殺人ゲームをします」事件の経緯

 

まずは事件の経緯をまとめます。

事の発端は2018年12月12日に投稿されたTwitterの投稿です。

以下、ニコニコニュースより当時の状況を引用させていただきました。

東京駅で12月13日か14日に「大量殺人ゲームします」という犯行予告がTwitterに投稿されていたことがわかった。

12日夜に投稿された犯行予告は、「多分これで俺の人生も終わると思うんで悔いのないようにやります。東京駅で明日〜明後日 指定はしません。時間の指定もしません。通り魔で大量殺人ゲームします。10人殺したら俺も死にます」というもの。目的は「社会と女に対する復讐」としている。この後も「俺みたいな壊れた欠陥品は産まれて来なければよかったんだ」「真面目な話人1人殺したのバレたら数十年刑務所なんだよ。それなら悔いのないような数だけ殺して自分から最後死んだ方がいい」などと投稿していた。このアカウントは既に凍結されている。

読売新聞によると、110番通報を受けて警視庁はJR東京駅周辺の警戒を強化。発信元を調べているとしている。

(出典:ニコニコニュース「「通り魔で大量殺人ゲームします」「10人殺す」13日か14日東京駅での殺人予告がSNSに投稿」より)

はい、どうみても明らかにアウトです

アメリカの警察官に冗談でモデルガンを向けるほどの危険行為です

冗談でしたでは済まされません。

即射殺されるレベルです。

そして予想通り、この投稿から2週間ちょっとで犯人は逮捕されます。

ツイッターに東京駅での通り魔殺人を予告する書き込みをしたとして、23歳の女が警視庁に逮捕された。

偽計業務妨害の疑いで逮捕されたのは、長野市の託児所パート従業員・小林愛望容疑者。警視庁によると小林容疑者は今月12日、ツイッターに「東京駅で明日~明後日。通り魔で大量殺人ゲームします」「10人殺したら俺も死にます」などと書き込み、東京駅の業務を妨害した疑いが持たれている。

書き込みの直後から110番通報が相次ぎ、およそ60人の警察官が警戒にあたったという。

調べに対し、小林容疑者は容疑を認め、「過激な内容を書き込めばツイッター内で注目され、日本中の人に見てもらえると思った」と話す一方、「想像以上に大ごとになりやばいと思った」と話しているという。

(出典:Yahoo!ニュース「通り魔殺人予告「日本中に見てもらえると」」より)

完全なテンプレートと言いましょうか…まあ当然と言ったところです。

嘘の書き込みには厳罰化で対応するしかない

 

私はこの手の逮捕劇を見るたびに、なんだかんだで警察はしっかりと捜査をしているんだなと感心します。

今回の事件のような書き込みの99.99%くらいは嘘・ガセの類です。

しかし、0.01%くらいは本当の書き込みがあるかもしれません。

99.99%が嘘であっても0.01%が本当の書き込みであるならば警察はそれを見逃してはいけません。

たとえそれが特定の場所を閉鎖したり大量の捜査員を動員したとしてもです。

税金の無駄?

いいえ、これは国家の治安維持が機能している証拠です

犯人はなぜ過去の類似事件を知らないのか

犯人は取り調べ手に対して「想像以上に大ごとになりやばいと思った」と供述しています。

が…同じような事件が過去にも散々出てきているだろうと。

もうね、なんで同じような事件で何人も逮捕されているのに知らないんだって思います。

ネットが使えないほどの老人ならまだしも、仮にもTwitterを運用している人間です。

過去の類似事件くらい耳にしてもおかしくはないはずなのですが。

あるいは、実は本当に計画をしていて、その過程で捕まっただけなのでしょうか。

いずれにせよ、逮捕は当然の結果と言えるでしょう。

厳罰化をすれば多少は減るはず?

ネットでのカキコ問題がなくならない原因。

それは法律の罰則が軽すぎることです。

ネットでの殺人予告などのカキコは偽計業務妨害罪(ぎけいぎょうむぼうがいざい)にあたり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります

………

まあ、あまりにも軽いですよね。

あまりにも軽い罰則ですので、1年も経てば誰もが忘れてしまうのも無理はありません。

極端な話、ネットでの殺人予告が無期懲役もしくは死刑であったのならば少しは犯罪の抑止力になったでしょう

犯人がネットでの殺人予告が罪と知らなかったとすれば、それほど話題に上がらないほど罪が軽いからです。

仮にネットでの殺人予告が半端ない重罪であったのならば、日常生活のどこかで「やったらヤバイ行為」として頭に入っていたと思います。

結果的にこの犯人は、東京での大量殺人ゲームは行いませんでした。

それは、その行為をしたらヤバイと頭に入っていたからこそ踏みとどまったと思います。

2012年のパソコン遠隔操作事件の記憶

とはいえ簡単に厳罰化できるかといえばそうもいきません。

とはいえ、この手の事件で思い出されるのが2012年に起きたパソコン遠隔操作事件です。

簡単に事件を説明すれば…

犯人が他人のパソコンを乗っ取り殺人予告をしたことで何の関係もない一般人が逮捕された事件です

あれはマジでヤバイ事件でしたね。

東京・神奈川・三重・大阪で4人の一般人が次々に誤認逮捕されていった恐怖の事件です

そう、実際に全然関係ない一般市民が冤罪で逮捕までされているのです。

また、パソコンの乗っ取りによる犯罪でっち上げもヤバイですが、警察の自白調書の強要問題やらいろいろと警察側の不祥事も目立ちました。

誤認逮捕されているにも関わらず自分がやったと自白した人もいましたしね

どのような取り調べが行われていたのか想像するだけでおぞましい事件でした

こんな状態で偽計業務妨害罪が厳罰化された場合どうなるか。

確実に他人を陥れる愉快犯が出てきます。

他人のパソコンを乗っ取り殺人予告を書き込み、人生をめちゃくちゃにしたい人が後を絶たないでしょう。

世知辛いことではありますが、この手の愉快犯はいつの時代にもいるものです。

厳罰化と誤認逮捕とのバランス、このあたりが難しいところですね。

SNSでフォロワー数を気にするという無意味さ

 

あと、犯人は「過激な内容のツイートを投稿すればTwitter内で注目されフォロワーが増えると思った」とも供述しています。

おそらくネタだとは思いますが、これが本当だとすればどうしようもありません。

SNSのフォロワー数にとりつかれた哀れな人間の末路です。

フォロワー数なんて気にしても意味ないのにね。

 

ちなみに、犯行当時の犯人のTwitterアカウントはこんな感じです。

ツイートフォローフォロワー
4431210

Twitterのアカウント設立が2013年1月ということを考慮すると、明らかに不自然な点が多すぎるアカウントです。

私は犯人のアカウントを昔から見ていたわけではないですが、ツイート数44でフォロワー1210って意味不明です。

どんだけ有益なツイートをしていたんだよと。

2013年から2018年で44回しかツイートしていない?

もうこの時点でネタでしょう。

あるいはツイートした後に消したんでしょうか?

まあどうせ、どこかしらで不正に中古アカウントを入手したんでしょうね。

フォロワーとは「増やす」ではなく「増える」

別のニュース記事では「フォロワーを増やすのに行き詰った」と供述しているとありましたが、まあなんでこのフォロー・フォロワー数で行き詰るのかも意味不明です。

仮にこの数字がまっとうな方法で増やしたフォロワーであったのならば、普通はフォロワーは自然と増えていくでしょう。

増えていかないということはそういうことです。

どうせ、相互フォローをしてからフォローを外したりと狡いマネをして稼いだフォロワーでしょ?

そういった「増やす」行為で増えたフォロワーなんて何の意味もありません。

結局、この犯人は努力は嫌だけれどもTwitterでの発言力は持ちたいタイプなんですよね。

本当にTwitterで発言力を持ちたいのなら有益なツイートを10000回くらい投稿すればよいのです。

そうすれば、少なくとも1210フォロワーどころではないフォロワーがつくでしょう。

そういった地道な作業には見向きもせず、犯罪予告でフォロワーを集めようとする。

ユーチューバーでいえば違法行為を動画に撮影して逮捕されるのと同じです。

「コンビニの冷蔵ケースに入ってみた」みたいな動画です。

SNSのフォロワー信仰から解き放たれよう

 

Twitterや他のSNSツールを使った類似の事件は今後もなくならないでしょう。

理由はシンプルです。

法律による犯罪抑止力よりも個人の承認欲求の方が高くなってしまうからです

フォロワー数が多いと皆に注目されやすい気がする

この手のSNSのフォロワー信仰がなくならない限りは、今後も同じような事件が忘れた頃に出てくるんでしょうね。

 

ここで超マニアックな例えを1つ。

SNSのフォロワー数にとりつかれている人間をみるたびに、私は…

フランケンシュタイン Blu-ray

1994年の名作「フランケンシュタイン」の後半、フランケンシュタインを造ることにとりつかれた博士が北極点を目指すことにとりつかれた探検家に「あんたもとりつかれているな」と言ったシーンを思い出します。

Twitterを始めたばかりのときにフォロワー信仰にとりつかれていた私なら気持ちがわからなくはないです。

私は映画の中の探検家になりましたけどね。

100人中99人がわからないネタだとは思いますが、もし映画のシーンを知っている人がいたら共感していただけると思います。

ホント…

SNSって一歩間違えば単なる精神疲弊ツールですね