BMネクタールという隠れた名作モンスターパニック漫画【ややネタバレあり】

BMネクタールという隠れた名作漫画

こんにちは けいこぶ です。

ひさしぶりに漫画喫茶に行きましたので、ついつい漫画を一気読みしてしまいました。新刊だけでなく、たまには懐かしい漫画も良いモノですね。漫画は古いからといって悪いわけではありません。古い漫画にも名作は数多くあります。今日はそんな懐かしい漫画からマイナーな名作をご紹介したいと思います。

BMネクタール 1 (少年チャンピオン・コミックス)

それがこちら「BMネクタール」です。BMネクタールは知る人ぞ知る名作漫画です。2000年から2002年頃まで週刊少年チャンピオンに連載されていました。作者は藤澤勇希先生になります。単行本は全12巻となっており、全部で105話の構成となっています。

正直なところ、まったくもって流行りませんでしたが、私はモンスターパニック系の漫画では最も好きな漫画の1つです。

あまりにも懐かしくなりましたので、今回はこのBMネクタールについてご紹介したいと思います。

 


BMってなに?どんな漫画なの?

 

まずタイトルにもなっている「BM」ですが、これは「Bio Meat(バイオミート)」と呼ばれる人口生物の略称です。

増え続ける人口問題に対応すべく、人類は2002年に遺伝子工学を駆使した人工生物BMを造り出しました。

BMネクタールの増殖・細胞分裂

(出典:BMネクタール1巻より)

BMは金属とガラスを除くありとあらゆる物質を食べることで細胞分裂して増殖します。

つまり簡単に言えば「ゴミを食べて増殖するブタ」です。

飼育方法はいたって簡単で、金属とガラスを除くゴミを与え続けるだけです。プラスチックであろうが何だろうがBMはところかまわず食べ続け、恐ろしいスピードで増殖していきます。ゴミを与えて食料が増えるのですから、まさに夢のような生き物です。

しかも、BMの背中の肉は牛や豚にも似た食用肉となっており、一般的にはBMは品種改良した牛や豚として世間一般には伝えられています。そう、2002年の日本では人類の食糧問題の解決の糸口としてBMが食べられているのです。

モンスターパニック漫画のお約束「脱走」

しかし、モンスターパニック系の漫画よろしく、案の定BMが飼育施設から脱走します。後は言うまでもなく増殖、人々を襲ってバイオハザード、街が壊滅するというお約束のパターンになります。

BMネクタールは3部構成となっており、第1部は主人公たちの幼少期に東京都のある都市がBMによって壊滅した話、第2部は成長した主人公たちがアメリカ産BMの試食会にてアメリカから持ち込まれたBM(通称USBM)と国産BMに襲われる話、第3部は日本全体がほぼ壊滅した後のいざこざの話となっています。

 

BMネクタールというグロテスクな人口生物

(出典:BMネクタール1巻より)

ちなみにBMですが、(特に裏面の)見た目がかなりグロテスクです。表から見ると甲羅のないスッポン(カメ)のようですが、裏面を見ると精神がガリガリとやられる見た目をしています。裏面には細いカニのような足が両側に15本ずつあり、体の下面はすべて口になっています。口には人の歯と同じ歯が2列に並んでおり、足には細かい触手が無数についています。移動は大きさの割には俊敏で、人が走ってなんとか振り切れる程度です。もちろん、触手によって壁などに張り付くこともできます。

あと、「キュウウウゥゥゥゥゥ」と鳴きます。どうです?結構かわいいですか?私は当時は夢に出てきたものです。

2016年にすばらしい有志の人によりMMD(動画で動くモデル)も製作されました。以下にリンクを貼っておくのでBMの動きを確認されたい方はご覧ください。作者様いわく「海外からも「キュート」「ペットにしたい」との声が寄せられている」とのことです!

【MMD】BM(バイオミート)v1.00【モデル配布】

人より少し遅いくらいの高速のスッポンが何千何万という大群で押し寄せてくる。恐怖です。しかもアイツら、スチール缶を噛みつぶすほどの力を持っているのです。あの歯でガチンッといかれたら痛いなんてものじゃすまないですね。

毒の類は持ち合わせていませんので、RPGで言えば完全な脳筋です。単純な生物である反面、耐久力や攻撃力に優れているのでガンガンと攻めてきます。

とにかく人が死にまくる

BMネクタール 2 (少年チャンピオン・コミックス)

この「BMネクタール」ですが、とにかく人が死にまくる漫画です。伏線回収や引き延ばしなどはなく、物語はテンポよく進んでいき、サクサクと人が死んでいきます。

「BMネクタール」は全部で12巻となっておりますが、無意味な引き延ばしやら伏線はありません。まるでB級モンスター映画を見ているかのように、とんとん拍子に物語が進んでいきます。それゆえ、とても読みやすい漫画です。

あと、死にそうな人はなんとなく顔の書き方が不細工に書かれているという配慮がなされていますので、読んでいて「あっ、コイツ死ぬわ」と何となくわかる親切設計になっています。反面、すぐには死ななさそうなキャラはしっかりと書かれています。それでも、いろいろな登場人物がバンバンと死んでいきますので、読んでいくと主要人物以外の名前が思い出せなくなります。

 

みんな丸太スプレーとライターはもったか?

某シリアル系ギャグ漫画「彼岸島」では丸太が半端なく大活躍しましたが、BMネクタールでは丸太の代わりにスプレーとライターが大活躍します。

スプレーとライターって何だ?ってことなのですが、ヘアスプレーなどは油分を多く含んでいますので、ヘアスプレーを噴射したところにライターをあてるとブワーッ!と火炎放射器のように火が飛び出るのです。

なお、作中でも書かれていますが「絶対に真似してはいけません!」。引火した炎がスプレーに到達すると、最悪の場合はスプレー缶が爆発して悲惨なことになります。今の漫画ではああいった描写はきっとできないかもしれませんね。当時は私も影響されたものです。なお、実際には作中並みの威力はなかったのは模様…。

途中でBMの細胞を破壊する特殊な電磁波放射装置のようなものが出てきますが、主要人物の東条 神悟いわく、中途半端な性能の装置よりもスプレー&ライターの方が信頼できるそうです。

彼岸島が丸太だとしたら、BMネクタールはスプレー&ライターですね。あと、何かと火炎放射器が出てきます。身が頑丈なBMに対しては銃器は無意味ですので仕方がないですね。

 

アメリカ版BMも出てくるよ

第2部ではアメリカで生み出されたBM、通称USBMなるものが猛威をふるいます。

BMネクタールのUSBM

(出典:BMネクタール第4巻より)

なお、アメリカ産BMは国産BMとは見た目が異なっており、口と触手だけのバケモノみたいな見た目をしています。小さいうちは1つ1つの触手の筋組織は弱いですが、国産と違って巨大化していきますので、大きくなればなるほど触手は太くなっていき力も上がっていきます。

第2部ではそんなアメリカ産BMと国産BMとの壮絶な食べ尽くし合いも見ることができます。増殖のスピードはUSBMの方が速いのですが、国産BMは小回りが利く分だけあちらこちらで増殖していきますので、お互いの拮抗した能力により食べては増殖して食べられては増殖してと、この世で一番不毛な争いと言われるほどの激闘を繰り広げます。

まあでも、日本だけでなくアメリカでもこんなバケモノBMが生み出されるようでは、いずれにせよ日本や世界がBMによって壊滅させられるのは必然ですね。「人の争いがなくならない限り、人の能力を超えたシロモノは扱えない」というのがこの漫画のコンセプトであるようにも思えます。ある説によると原子力技術への皮肉も込められているとかいないとか。

 

大都会「九州」が出てくるめずらしい漫画

BMネクタール 10 (少年チャンピオン・コミックス)

この漫画ではBMによって日本が壊滅した後は、東京ではなく宮崎県の高千穂が首都となっています。「そう、そこはかつてキューシューと呼ばれていた」なんて言葉が飛び交うのはBMネクタールだけでしょう。ちなみに九州地方は「南」と改称され、かつての東京以上に高層ビルや各種インフラが張り巡らされたハイテク都市と発展しています。

ちなみに「南」以外の人間は政府から見捨てられてしまいます。各地区(東京、大阪など)には独自の自警団がBMと戦い続けていますが、南の人間からの援助は一切なく、ジリ貧の消耗戦と続けています。

先ほどBMネクタールが原子力技術を皮肉した漫画説と言いましたが、コレって移民による日本壊滅説を予言しているなんてないよね?

20XX年、日本の治安は移民により壊滅的に悪化して、一部の富裕層は「南」と呼ばれる治安特区に移住して、それ以外の人間はスラム街同様の地域での生活を強いられる。

ああ、なんかありそう。そんな事態になったら私の住んでいる大阪なんてまずアウトじゃないですか!?というよりすでに外人だらけで治安も良くないんですが。

関西弁の主人公とその他の主要キャラ

BMネクタール 12 (少年チャンピオン・コミックス)

なお、BMネクタールの主人公「麻綾 完」はバリバリの大阪弁です。大阪弁の主人公って結構めずらしいと思うんですよ。しかも、最初から最後まで終始コテコテの関西弁ですしね。

また、BMによって日本全土が壊滅した後は紀伊エリア大阪地区の自警団団長にもなったりと何かとバイタリティーが溢れたキャラクターです。なお頭はあまりよくなく、同じく主要メンバーの幡場 優と共に主に体力班となっています。

ヒロインは紅一点の香ノ宮 真里乃ただ1人。よくよくふりかえってみたら、この漫画は女性キャラが極端に少ないと思うんですよね。あくまでも「生き残る」女性キャラといった意味ですが。香ノ宮 真里乃は運動神経も頭もよく、状況に応じた頭の切り替えも早い万能キャラです。

挿絵に出てくるメガネキャラの東条 神悟は終始クールなスマートキャラとして出てきますが、主要なところでの詰めが甘くどことなく1人では不十分な印象を受けます。しかも、史実的には日本と南を壊滅させた当事者でもありますので、「世紀末の死神」と呼ばれてしまうこともあります。

他にもいろいろなキャラクターが出てきますが、主要キャラクターに関しては各々に特徴があり好感が持てます。

あと、みんなが誠実で筋の通ったキャラクターなのも良いですね。

 

2018年に人工培養肉が市場に投入

 

BMネクタールをなんで今になって読もうと思ったかといえば、たまたまネットを徘徊していたときに、「人工培養肉が食卓に近づくという」記事を見かけたからです。

家畜の幹細胞を培養して作られた、「クリーン・ミート」と呼ばれる肉の製造販売が実現に近づいている。家畜を育てず、可食部だけを培養して作るクリーン・ミートは環境保護の面でも注目されており、その研究開発には著名人や大企業からも資金が集まっている。今年の年末には市場に出せるという製造業者も現れ期待は高まるが、越えるべき課題もある。

(出典:NewSphere「食卓に近づく人工培養肉、年内に市場にも 環境にやさしく進む研究開発」

どこからどうみてもBMです、ほんとうにありがとうございました。

記事を読みますと2018年には市場に投入されるとありますが、ついにBMが市場に打って出るわけですか!?

まあ、BMネクタールのようなことにはならないと思いますが、人工培養肉と聞くとどうしてもBMネクタールを思い浮かべてしまいます。人工培養肉という単語を聞くだけで「キュウウウゥゥゥゥゥ」という鳴き声が聞こえてきそうです。

 

まあそんなかんだでマイナーながらも個人的にオススメしたい漫画「BMネクタール」、漫画喫茶などでも見かけますのでぜひとも一度読まれてみてはいかがでしょうか。

エレル 1巻

藤澤勇希先生の漫画では、他に「エレル」というもっとマイナーな漫画あるのですが、こちらはマニアックすぎて近くの漫画喫茶には置いてありませんでした。

内容はうっすらとしか思い出せませんが、たしかこちらもモンスターパニック系だったと思います。たしかスライムかアメーバー系のグロテスクな何かだった印象が。

大きな漫画喫茶で読む機会があったらこちらも思い出したいと思います。