アルバイトの着替えは労働時間[時給が発生しないのはおかしい]

制服への着替えは労働時間

多くの人は、人生のどこかでアルバイトを経験すると思います。

僕に関していえば、高校2年生のときに初めてアルバイトを始めました。

初めてのアルバイトって緊張しますよね?

僕も当日…

緊張するけど…お金を稼ぐためにがんばるぞー!

といった気持ちでアルバイト先に向かいました。

ですがアルバイト当日、私を担当した社員さんから次のようなことを言われます。

タイムカードは制服への着替えが終わって、出勤する直前に押してください

帰るときは何よりも先にタイムカードをする直前に押してください

あたりまえのように淡々と説明されましたが、これってよくよく考えたらおかしいですよね?

制服の着替えはあきらかに業務の一環

アルバイトに限らず社会人であっても、

制服への着替えはタイムカードを押すまえにやらされる会社が多いです

ですが冷静になって考えてみると、これっておかしなことですよね。

タイムカードを押していないのだから賃金は発生しておらず、制服への着替えはプライベートの時間で行っていることになります

となると、

僕はプライベートの時間を使って自発的に制服に着替えているのでしょうか?

………

いやいや、そんなのはありえないです(笑)

お金を稼ぐために貴重なプライベート時間を削ってアルバイトへ行っているのに、そんな無給で奉仕するほどの余裕はありません。

プライベート時間を無償奉仕するほどの余裕があるのなら、そもそものアルバイトの時間を減らすでしょう。

ですが「制服への着替えに時給は発生しない」というのは、なぜかあたりまえのことになっています。

プライベートの時間という認識なら…制服に着替えなくてもいいってこと?

それだとまあ…怒られると思うよ。理不尽な状態だよね

おかしなことに誰も疑問を抱かない異常事態

高校生だった無垢な僕は、制服を着替えに時給が発生しないことに対して、どうしてもモヤモヤが払しょくできずにいました。

ですので、僕を担当していた社員さんに質問をしたこともありました。

制服の着替えもアルバイトの一環だと思うのですが、お金はもらえないのですか?

すると、返ってきた答えは…

うん?ああ、決まりだからね。お金はもらえないよ

申し訳ないとか理不尽と感じているような雰囲気はまるでなく、「そういったものだから」と疑問すら抱いていませんでした。

個人のプライベートな時間であっても会社は自由に拘束することができる?

高校生の僕には衝撃的な現状でした。

結局その後、制服の着替えどころか、

  • 勤務時間が多少オーバーしても時給が発生せず、なあなあで泣き寝入りさせられる
  • 逆に出勤時間が1分でもオーバーしたら、遅刻として厳しく怒られる

といった社会の現実を目の当たりにしました。

(世の中って…もしかして思った以上に腐っている?

高校生だった僕は素直にそう思いました。

制服の着替えは労働時間であると定められている

制服の着替えは労働時間に含まれる。

これは厚生労働省の資料にもしっかりと明記されています。

3.たとえば、次のような時間は、労働時間に該当します。

① 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を

義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した

後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

(厚生労働省「労働時間の適正な把握 のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」より)

ですが現状、「制服への着替えに時給は発生しない」といった考えがあまりにも広まりすぎて、指摘をすると逆に立場が悪くなってしまうのが現状です。

よくよく考えてみるとおかしなことですよね。

それこそほんと、制服に着替えないで働きたくなります。

「制服の着替えに時給は発生しない」なんて規定があったら無効だよね?

あきらかに無効だと思うけど、ブラックな会社なら普通に明記してそう(笑)

労働基準監督署から是正勧告が出た実例もある

制服への着替えは労働時間か否かについて、労働基準監督署から是正勧告が出た実例もあります。

従業員が制服に着替える時間などの賃金を支払っていなかったとして、飲食大手フジオフードシステムが労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。厚生労働省のガイドラインでは、着替えなどの時間は労働時間に含むと定められている。

(Yahoo!ニュース「着替えは労働時間ではない」と賃金払わず 飲食大手に是正勧告」より)

ちなみにこの訴えでは、会社側は最初、「更衣室で着替えることは義務づけておらず、労働時間にはあたらない」と賃金の支払いを拒否したとのことです。

更衣室で着替えることは義務付けておらず…ですか。

義務づけていないのなら私服で働いてもOKになりますよね。

でも実際は、私服で働くのは別で存在するであろう服務規程に反する形になるでしょう。

制服へ着替えるのは義務ではないけれど、制服での労働は服務規程に書かれている。

いやいや、それは制服への着替えが義務でしょ(笑)

と感じます。

日本の労働環境がまともになっていくことを切に願うばかりです。